ぼくが脱サラし釧路にダーツとビリヤードのお店を開業したのが27歳の頃です
昼間から営業しているプールバーに就職したのがキッカケです
ソフトダーツのブームが東京で始まった頃でした
東京→札幌が2年、札幌→釧路まで2年というのがブームの流れです
結果的に独立するにはドンピシャなタイミングでした
ぼくが就職したお店は思いっきり立ち上げに失敗していたので売り上げもスッカスカ、おかげで好きな事がやりたい放題でした(笑)
ダーツはお客さんがほぼゼロだったので、まずはビリヤードの集客に専念しました
まず最初にぶちかましたのは破壊です
これは周りにも言いまくってきた事ですが、ぼくはビリヤードプレイヤーを気持ち悪くてムカつく奴としか思っていませんでした
本物の由緒正しいビリヤード屋さんに行った事がありませんが、当時釧路でビリヤードが出来るお店の接客は点数が付けれないレベルで、受付で球渡してハイ放置。
ルールも遊び方も分からないので、自分たちで勝手に盛り上がっているとマイキューを持ったオジサンたちが舌打ちしてきたりタメイキついたりと気分はサイアク。。
ビリヤードのビの字も知らずに素っ裸で業界に飛び込んだおかげで、へたに知識も立ち位置もなく、上下関係だの業界のシキタリだの常識だのを全て無視して躊躇することなく破壊していきました
おそらく世界チャンピオンがいても言う事を聞かなかったら出禁にしてました。
まずはこの我が物顔の連中を一掃しなければ新しいお客さんを増やすことは不可能だと判断し、悪者になろうが嫌われ者になろうが、ひざまずく事は絶対にしないと決めて、お店のルールとマナーをお客さんに徹底していきました
もちろんぼくは馬鹿じゃないので作戦を練ってから行動しました(笑)
最初はまぁ大変(涙)
生意気な店員だ。球の事も知らないであーだこーだ。いいか?玉屋ってのはなぁ。普通ビリヤードっていうのはウンヌンカンヌン。上手くなってからどーのこーの。
叩かれまくりましたけど、ヘッチャラです
こんな店二度とコネー!と言ってもらえたら最高です、もう来ないでくださいという手間が省けます
普通って誰が決めたんでしょうか?
常識の90%なんて上手くいかなかった連中の常識だし
おなじ事やってどーする
破壊の次は丸っきりの初心者をターゲットに集客
ぼくがターゲットにしたのは、ぼくのようにビリヤードに対して否定的な人だけです
100人いたら95人、いや98人ビリヤードに興味が無いのだから、興味のある2人よりも98人を相手にしたほうが効率的です
そのためには
ぼくが行きたいと思えるお店かどうか?
これだけに集中し「少しでも心にひっかかる物は全て排除」していきました
数年後に独立した際もぼくは一貫してビギナーを最重要視し続けました
『ビギナー層を守る為ならトッププレイヤーすら出禁にする、店の言う事が聞けないなら来なくていい、俺の邪魔すんな。』
『上手いと偉いって思ってる奴は大嫌いだ、そんな奴が店にいたら空気が悪くなるから来なくていい。』
どうしてこんなに攻撃的な言葉を吐いていたか、理由があります
失敗してお店が潰れた時に、人のせいにしたくなかったからです
最初にぶちかましてお店作りが出来たのはラッキーでした
ちょっと話がズレますが
若気の至りは素敵です
ある意味ケンカ腰だし、ギラギラしてるし、寝れば体力気力回復するし、怪我しても治るの早いし、自分が未熟で貧弱なことに気付かないから貪欲だし、ナンバーワンを本気で狙う情熱、自分の才能を疑わない自惚れ、人の忠告も心に響かないし(笑)
まぁ大抵 何年か経った時に一気にしっぺ返しに襲われてモーレツに凹んだり後悔するんですが、、
まぁそれが人間ですよね(笑)
今あの時と同じテンション、同じノリで店を出せと言われてもビビって出来ません。頭で考えまくって作戦練りまくって人脈フルに使いまくって、どうやったらアミューズメントや漫喫に殺られないかを必死に考えます
もうあの時みたいにオッサン同士、腕組してAKBのPVに食らいつく事は恥ずかしくて出来ないでしょう
初めてのお使いでボロボロ泣いてしまうお年頃になってしまいました(笑)
我ながらスゴイ舵取りでした
お客さんの層もビギナー50%プレイヤー35%トッププレイヤー15%のキレイなピラミッドでした
夕方から夜中まで稼働率100%、順番待ちで5席のカウンターに10人が待機、退屈しないように全力で笑わせるぼく(笑)
ビギナー層からは絶好の電柱に(ギブアップしそうなときに次の電柱までは頑張ろうと自分を鼓舞して走った戦後のランナー君原 健二(きみはら けんじ)さんの名言、この場合、ちょっと練習すればアイツぐらいは直ぐに倒せるだろうという電柱の役目がぼく、ふざけんな!w)
プレイヤーからは最適なスパーリング相手、トッププレイヤーからは適度に歯向かってきてくれて本気出したらペちゃんこに倒れてくれるナイスキャラ(笑)
真剣にやってるコッチからするとストレスですが(笑)店員よりは上手いというのはお客さんにとってはステータスです
下手な人ほど全力で守れ
その姿を見てる上手い人は、必ず放っておいても来てくれるよ
お客さんとの会話や接客も沢山研究して練習しました
お客さんとの会話が弾むようにヤフーのニュースは毎朝全部チェック、芸能、スポーツは特にチェック、ダーツやビリヤード関連のブログやサイトも欠かさず巡礼
どうすればお客さんが笑うか?どう説明すればお客さんが理解して練習出来るか?どうすればお客さんより半歩だけ上から物が言えるか?
お店に向かう車の中で大声でトークの練習をしていました。
めちゃくちゃ勉強しましたよ
漫才のDVD借りてきたリ、ラジオを沢山聞いたりして、必死でした
だってぼくビリヤードが下手なんだもの(笑)
その分クチ数で勝負です
振り返ると反省点も沢山ありました
借金を返すまでは死に物狂いでした
朝10時に出勤し夜中の2時まで、1日16時間働き続けました、座布団1枚分のスペースにパソコンを置いて毎日日記を更新しました
お客さんからは喜ばれていましたが全てを仕事に捧げた結果つまらない人間になっていました
仕事以外の面で完全に他の事は疎かになっていました、でもそれに気付くことは出来ませんでした
若かったなぁ..(笑)
まず友達が減りました
スノボーの誘い、飲みの誘い、バーベキューの誘い、全てを断りました
そんなに誘うならお前ら店に来いよと何度思ったことか(笑)
何年も断り続けているうちに誰からも誘われなくなり、携帯番号も変わったり引っ越していたりで連絡が途絶え、、
遊べる時間を手に入れた時に遊び相手が居ないのは寂しい限りです
シゴト人間になっていました
起きてる時間全てを仕事に捧げていたら、仕事というフィルター越しにしか物が見えなくなっていました
お客さんとの会話やコミュニケーションの為に、以前会話に出てきたラーメン屋に出かけてみたり、おススメのビデオを見てもイマイチだったけど最後まで見たり
それが嫌だった訳じゃないけど、無意識に仕事とプライベートを直結させていたのに気づいた時は、言葉にできない虚しさでいっぱいでした
良い目にも悪い目にもあいました
ダーツとビリヤードのお店はディズニーランドのような夢の国ではありません
トラブルも1度や2度ではありません、人気が出れば出るほど余計な問題も続出しました、漫画のように喧嘩別れした面々と涙の再開!なんてありません
沢山出会いも分かれも経験しました、爆笑も沢山したし、仕事中に涙が止まらなくて早退した事もあります
悪い事が起きた時、どれだけ歯を食いしばれるか、ここが勝負の分かれ目です
その為にも「こんな事が起きたらどうするか?」を常に考えておきましょう
ヘラヘラしてたら痛い目にもあいました
言ってもいない事を言った事になっていて悪者にされた事も何度もありました
「構うな構うなwそんなウソなんて誰も真に受けねーだろw」と余裕こいてたら、お客さんがゼロになるほどの悪者になっていたこともあります
地域ナンバーワンのお店になると、後発のお店からこんなにも攻撃されるとは思いませんでした(笑)
スタッフ依存のお店から脱却できなかった
これが最大の反省点です
3ヶ月の入院を経験して痛感したのは、スタッフに依存したお店作りはモロいということです
システムや土台をしっかりと作っておかなければ、売り上げは安定しません
長くなってしまったので後編に続きます
ぼくのようにド素人だからこそ業界の常識を右にならえせずに、エキセントリックな行動がとれるケースもありますが、残念ながら今は時代が悪すぎます
これからのダーツやビリヤード屋さんは勢いやノリだけでは生き残れません
鍵はアミューズメントという巨人族をどう利用するか?
これに尽きます
2017/04/18 追記 後編、更新しました
これからダーツ&ビリヤード屋を開業・経営する人に伝えたい「アミューズメントという名の巨人対策4か条」
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